バクマン。三巻

バクマン。 3 (ジャンプコミックス)

バクマン。 3 (ジャンプコミックス)

何故か私は「アオイホノオ」や「G戦場ヘブンズドア」のような「青春漫画(マンガ家を
目指している)」が大好きのようだ。
DEATH NOTE』の大場・小畑コンビの「バクマン。」もまた漫画家を目指す少年二人の
熱い攻防戦を描いている。その最新刊が出ていたので買ってしまった。


正直「バクマン。」読むとこっちも燃える。良い年して「頑張るぜ!」とか思う。
所詮漫画で現実離れした話じゃん?って思うだろうが「中の人」が片足突っ込んでいる
世界じゃ当たり前に「交わされている」(内容は若干違うが)会話なのだから。


以下若干ネタばれ含む感想です。
■模倣は当たり前!
主人公の一人「真城最高」が「バトルシーン」の作画を勉強するために、最低100枚
模写する!(うろ覚えだから枚数とか違うかもしれないが)って下りなんかはもう
ガンガン胸に来る。模写、コピー・・・・上達への一番の早道!誰に習う訳じゃなく
昔は自然にやっていた。


太田貴子の物まねするために、毎日CD聞いて歌ってマネしまくり!とか。
竹宮恵子の「地球へ」が好きで丸写し!とか。


これって最前線で活躍するナレーター達がみんなやってる。
「売れてる」人のコピーを完璧なまでにすることを。
猿まねって揶揄する奴は黙っとけ!って感じ。いや、猿まねだからダメなんだよね。
それを超えるまでやった奴が頂点に行けてるってか。
だから自分はダメだって分かっている。だから10代の時になんでもやらんといかん
のんだなってつくづく思うよ。20代でも大丈夫!そこでくすぶっている人がいたら
絶対に「もうこれ以上できん!」って思うくらいまでやって諦めろ。
それでダメなら好いじゃないか!


■天才じゃないならひたすら努力!
世の中には確かに「才能」を持っている奴がいるんだな。
これはセンスとかコミュニケーション能力とか外見の良さとか・・・・・・・
自分にそうゆーのがないのならそれを嘆いていても仕方ない。
だったら、努力(陳腐だけど)するしかなってことなんだよ。マジで。


誰も「大勢の中」から「私の魅力を引き出して」「引き上げて」なんてくれない。
光る宝石なら別だよ?だいたいがその辺の石ころなんだからさ。
だから「私はここにいます!」って自分から手を振らない限り「奇跡」なんて
起こらない。もちろん、そういう「才能」を持っている人もいる。
それがその人の「才能」なんだよな。
バクマン。」面白いのは、主人公がちゃんと「努力」してるとこなんだよね。
漫画的な演出に騙された人は「リアルじゃない」部分に着眼してるけどさ。

  • ちゃんと作品を描きあげた(ている)こと
  • 投稿ではなく編集部に持ち込んだこと
  • 出来あがった作品の欠点を振り変えること
  • 売れている作品を分析すること
  • 期限を決めていること
  • 他人に意見を求めること


「え?大したことないじゃん?」
って思うだろうけどほとんどの人が「継続して一本描きあげる」で挫折じゃないか?
また「投稿」ではなく「持ち込み」にしたことが更に近道!
顔を合わせた方が絶対にメリット大きいからね。
恋愛きっかけとはいえ、期限を決めているのもいい。だらだらと夢にしがみ付くのは
前に進めない原因にもなる。後は業界や売れてる作品の分析も重要!
やりたい仕事ならちゃんと調べて挑戦した方が絶対に効率がいいから。


■老兵も元気になれる
多分、私がガンガンに売れている奴でこういう原作書いたら面白いのだろうが
所詮は三流。そして「バクマン。」は自分にとってはジャンルは違えども非常に
「リアル」な物語だ。あの作品に出てくる他の若手の漫画家達の姿は周囲にいる
仲間達ととても被る。あんなもんだ。トップに躍り出たいって奴は嫉妬も喜びも
すっげえ激しい。迂闊な気持ちで近づいたら火傷する。
まあ、自分はそこまではなれんとしても、死ぬまでこの思いは忘れたくないって
感じさせてくれる「バクマン。」は元気がなくなった時に絶対に読みたい漫画の
一つになりそうだ。


■恋愛要素が燃えない
ただ、恋愛要素の部分は正直あんまり魅力を感じない。
主人公の「真城最高」と「高木秋人」の関係は凄い良いのに。
「シュージンを信じるしかない」って・・・・えっと・・・私もある人に同じことを
考えていました・・・・・恥ずかし・・・・・。


ヒロインである声優志望の「亜豆美保」やシュージンの彼女の「見吉香耶」がどうも
魅力に欠ける。かわいいとか巨乳とか「記号的」過ぎかも。
彼女たちに魅力があり過ぎると男子達が薄らいじゃうからこれくらいでいいのかも
しれないけれど。
正直「外見」が「良い」と声優志望であった場合、得する事が多いのだ。
だからどーんなに嫌な目にあっている、頑張っているって表現があっても「ふーん、
良かったじゃん?注目されて」とあまり同情できない。


その手の業界が分かっていると楽しめないってことだね。
だから自分が漫画を投稿していたら「バクマン。」も楽しめなかったかもしれない。